成年後見に関する手続
法定後見制度
法定後見手続を利用する場合、申立の流れは概ね下記の通りとなります。ご相談を受けてから後見人等の職務が開始されるまでに最短でも1ヶ月以上はかかると見込まれます。特に本人の不動産を処分することが必要な場合、更に家庭裁判所の許可を得なければなりませんので、お急ぎの場合、その点もご考慮ください。
後見開始の申立の流れ
管轄の裁判所により手続や必要書類が若干異なる場合があります。
- 1ご相談本人の現況と今後のご要望等をお伺いします。
- 2医師の診断書の手配医師の診断後、成年後見・補佐・補助の別や、補佐や補助の場合は更に代理権や同意権の範囲などついてご相談の上、申立書類を準備致します。
- 3申立に必要な書類の準備申立書、親族関係説明図等の書類は当事務所で作成致します。
(本人及び後見人候補者の住民票・戸籍謄本、親族の同意書等) - 4家庭裁判所に申立書類を提出本人の住所地を管轄する家庭裁判所に日時を予約の上、提出します。
- 5家庭裁判所の調査官と面接申立人や後見人候補者の面接が行われる場合があります。必要に応じて当事務所もご同席させていただきます。
- 6本人調査・親族への意向照会・鑑定個々の案件により必要に応じて家庭裁判所が行います。
- 7家庭裁判所による審判・後見人等の選任補佐や補助相当の場合、併せて必要な同意権や代理権が定められます。
- 8審判書謄本の通知家庭裁判所から、本人、申立人、後見人等に審判書謄本が通知されます。
- 9審判の確定審判書謄本が後見人等に届いてから2週間経過以内に利害関係人から不服申立がされない場合、後見開始の審判が確定します。なお、後見人等の人選についての不服申立は出来ません。
- 10後見登記の嘱託審判の確定後、家庭裁判所の嘱託により東京法務局で登記がなされます。登記が完了すると家庭裁判所から後見人等に登記番号が通知されます。
- 11後見人等による職務開始後見人等は就任後、直ちに、本人の財産を調査して、財産目録、収支予定表等を作成し家庭裁判所に提出します。
任意後見制度
任意後見制度を利用するには、判断能力が十分なうちに本人と将来の支援者(任意後見受任者)の間で支援内容を契約しておく必要があり、本人の意思と契約内容が法律に沿ったものか確認する必要があるため必ず公正証書によってなされます。この契約が締結されると、公証人の嘱託により契約内容が法務局で登記されます。
本人の判断能力が実際に低下してしまった場合、任意後見人の業務を監督する「任意後見監督人」の申立を行い家庭裁判所により選任されることで、任意後見契約の効力が生じます。
(*本人の判断能力が十分なうちは効力が生じることはなく、また、万が一の時でも、任意後見監督人のもと、ご自身が契約した方が支援してくれますので、契約を結んでおくことで安心を得られることでしょう。)
任意後見契約は本人がお亡くなりになると効力を失います。葬儀や納骨等の死後の処理を頼める身内がいない場合などは、併せて、「死後事務委任契約」を結ばれておくことを、また、判断能力は十分にあるが怪我や病気で寝たきりになり預貯金の出し入れなどの財産管理が難しくなった場合に備えて、併せて、「財産管理委任契約」を結ばれておくことをお勧め致します。
- 契約内容が不十分であったり、本人の判断能力が低下したことを任意後見受任者が知らなかったりした場合、希望したとおりの支援を受けられないということになりかねません。十分に準備しておくためにも是非当事務所へご相談ください。
司法書士岩城事務所
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デュオ・スカーラ御茶ノ水Ⅱ704号