相続・遺言に関する手続

 相続が発生した際、配偶者は常に相続人になりますが、当然には財産の全部を相続出来ません。法律上は、亡くなられた方(被相続人)の①子(孫)、②ご両親(祖父母)、③ご兄弟(甥や姪)の順で、共に相続人となることが法定されているからです。子がいる場合は問題にはなることは少ないでしょうが、それらの方が残された配偶者の方のために協力していただけるとは限りません。相続権を主張され必要な遺産をすぐには使えないということもありうるのです。
そのような事態を回避するには遺言をのこしておくことが有効です。但し、遺留分の配慮や遺言書の方式など難しい問題もございますので、十分お話しをお伺いした上で、ご希望に沿った遺言をのこせるようお手伝いさせていただきます。

相続登記手続

 相続が発生し、遺言があるか、遺産分割協議がまとまったら、なるべく早く手続されることをお勧めいたします。もちろん、法定相続分に従った手続をすることも可能ですが、手続をしないうちに相続人の方まで亡くなり、音信不通な他の相続人とまた話をしなければならないということになりかねませんので早く手続をした方がいい点では同様です。

相続手続の流れ

  1. 相続の開始(被相続人の死亡)
  2. 遺言書の有無を確認
  3. 相続人を確定させる
    (被相続人の出生から死亡までの戸籍等の調査)
  4. 財産目録の作成
  5. 相続人全員による遺産分割協議
    もし、協議がまとまらない場合は調停・審判の手続、資産よりも負債が多いような場合は相続放棄の手続
  6. 登記、相続税の申告等、相続手続の実行
    (公正証書)遺言がある場合、上記3.~5.の手続を省略又は大幅に軽減出来ます。

相続登記手続の必要書類(遺産分割協議をした場合)

  1. 被相続人の出生~死亡までの戸籍謄本、
    住民票の除票又は除かれた戸籍の附票
    相続発生後5年以上経過していて取得できない場合はご相談ください
  2. 遺産分割協議書
  3. 相続人全員の印鑑証明書、戸籍謄抄本
  4. 不動産を相続する人の住民票、本人確認書類、登記委任状
  5. 不動産の固定資産評価証明書
  6. 相続関係説明図(*当事務所で作成します)

(公正証書)遺言がある場合、上記1.~3.の書類のうち大部分を省略出来ます。
※詳しくは、個別の事案に応じて、お見積りと共にご案内させていただきます。

遺言の手続

 遺言は、遺言する人の真意を確実に実現する必要があるため、決められた方式に従って「遺言書」として残さなければ、法的に認められません。通常の遺言書の方式としては、「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」の3通りがあります。どの方式にもメリット・デメリットがありますが、配偶者居住権等新しく導入された制度も踏まえて、詳しくご説明させていただきますので、手軽さ、費用、秘密保持、遺言の確実な実行などを総合的に判断していただいて、どの方式にするか決めてください。
 なお、どの方式でも後で考えが変わった場合、新たに遺言書を作成することで、内容の変更や取消することは可能です。判断能力が十分にあるうちに、まずは「現在の意思」を伝えるため遺言書を作成されることをお勧めいたします。